二刀流・宮本武蔵と剣豪・佐々木小次郎の戦いと言えば、巌流島の戦い。
その舞台だった巌流島は、関門海峡に浮かぶ無人島です。ですが、決闘の聖地として一度は行ってみたい場所。
今回は巌流島の戦いや島の様子、見どころ、行き方などについてご紹介します。

巌流島とは

巌流島は関門海峡に浮かぶ無人島です。
正式名称は船の形に似ているしていることから「船島」と言います。が、船島と呼ぶ人はほぼいません。
その大きさは現在10万平方メートルですが、もともとの大きさは1万7000平方メートル程だったそうで、明治期以降に行われた幾度もの埋め立てによって、大きさがなんと!6倍にもなったんだとか。
船の形に似ていたのも、埋め立て前の島の形だったんですね。今では葉っぱみたいな形になっています(ちょっと違うかな・・・(;^_^A)

以前は島の隣に岩礁があり、船の難所として恐れられていたそう。
海峡の幅が狭く、1日に4回も潮流が変化する関門海峡自体が難所と言われているのに、さらに岩礁があったとあっては航行する船も大変だったことでしょう。
あの豊臣秀吉もこの岩礁で船が座礁したことがあったとか。
今は船にとって危険ということで岩礁は爆破され、埋め立てられて島の一部になっています。

また今は無人島ですが、戦後には人が住んでいた時期があったそう!
30世帯ぐらいあったそうですよ。今では民家のあとはまったくありません・・・。

巌流島の戦い

有名な、二刀流・宮本武蔵と剣豪・佐々木小次郎の決闘が行われたのは1612年(慶長17年)、江戸時代初期のこと。
敗れた佐々木小次郎の流派の名が「巌流」といったそうで、その名前から巌流島と呼ばれるようになったと言われています。
二人の決闘でよく知られているのは、小次郎を焦らせるために武蔵がわざと決闘の場に遅れて到着し、船の櫓を削って作った長い木刀で小次郎を倒した、という話です。
ですが、この決闘には諸説あって、はっきりとしたことはわかっていません。
武蔵は定刻にやってきて小次郎を破ったとする説や、武蔵が1対1の約束を反故にして4人の弟子を引き連れて小次郎と対決したとする説など、様々な記録が残っていて、真実はわからないまま・・・。

ですが、舞台となった島が敗れた小次郎の名を冠することになるほど、地元の人たちは敗れた小次郎に深い思い入れがあったのでしょうね。

巌流島の見どころは?滞在時間は?

さて、そんな歴史の舞台になった巌流島ですが、現在は船で渡って行ける観光スポットになっています。
2003年に大河ドラマ『武蔵MUSASHI』の放映と合わせて、公園として整備されました。
大きな何かがあるわけではないのですが、モニュメントや広場が整備されています。

武蔵と小次郎の決闘に思いを馳せながら、そして海峡の両岸の景色を眺めながら、ゆっくりと島を散策できますよ。
滞在時間は、何もイベントがない場合は次の船が来るまでの間で十分だと思います。

巌流島文学碑

船着場について最初に見られるモニュメントです。
この「巌流島」とかかれた木の柱を見ると、ああ巌流島に来たんだなという実感がわいてきます。
舟の形をしたモニュメントには、村上元三作の「佐々木小次郎」の一説が刻まれています。

武蔵・小次郎像

船着き場から海に沿ってしばらく歩くと展望広場に着きます。
そこにはあの武蔵と小次郎の像が建っています!

木刀を振りかざす武蔵と、剣を構える小次郎。像だけを見ると、対峙している二人は同時にそこに建ったかのようですが・・・じつは、武蔵は遅れてできたんです。
小次郎の銅像ができたのは2002年12月。一方の武蔵は翌年の3月に建立されたそう。
まるで決闘の伝説になぞらえたかのようですね・・・。

武蔵が乗ってきた小舟?

二人の銅像からさらに進むと、人工海浜があります。
この浜辺は武蔵と小次郎が決闘を行った砂浜を再現したのだそう。さらにはその砂浜に、武蔵が島まで乗ってきた小船を再現したものがあります。

浜辺に静かに佇む一艘の小舟・・・。兵どもが夢の跡という言葉を思い出すような、もの悲しさも感じますね。実際、何もない浜辺にポツンとある小舟はちょっと寂しかったです。

そのほかの施設は

他には施設として、屋外ステージ、多目的広場、バーベキューサイトなどが備えられています。
バーベキューサイトの利用は無料ですが、利用希望日の一週間前までに利用申請が必要になります。
ゴミ箱や水道施設はありません(トイレはありますが、トイレの水は井戸水です)。
詳しくはこちらの下関市公式観光サイトをご確認ください。

巌流島で行われるイベントはある?

5月のゴールデンウィークに行われる「しものせき海峡まつり」では毎年、巌流島フェスティバルが行われています。

毎年恒例の「関門大綱引き大会」や、「ファミリーピクニックコンサート」などが行われ、多くの観光客が島でのイベントを楽しんでいます。
「関門大綱引き大会」は、参加者が本州側と九州側に分かれて対決!そのあとに迫力の、武蔵と小次郎の決闘の再現劇が行われます。
また「ファミリーピクニックコンサート」は2019年で32回目を数え、アニメソング界の大物たちが集結する一大イベントなんだそう。どちらも毎年、たくさんの参加者、観光客でものすごく盛り上がります!

島への行き方は?

そんな魅力的な歴史やイベントがある巌流島には、船で渡るようになります。
船には下関の唐戸桟橋、北九州の門司から発着している直行便が出ています(1時間に1~2便)。
料金は、
(往復)下関発着 大人900円、小人450円
門司発着 大人900円、小人450円
下関→巌流島→門司、門司→巌流島→下関 大人900円、小人450円

巌流島への直行便についての詳細は、関門汽船HPをご確認ください。
また団体で巌流島に渡るなら、チャーター便が便利です。
唐戸桟橋と彦島の江の浦桟橋からチャーター便が出ています。

上陸認定証をいただこう

下関の唐戸桟橋で巌流島への乗船券を購入された後、受付で上陸認定証をお渡ししています(無料)。
しまった、知らなかったからいただきそびれてしまった・・・。

(下関・唐戸ターミナル)

まとめ

今回は決闘の聖地・巌流島についてご紹介しました。
わたしも以前、子どもたちと下関の唐戸桟橋から船に乗って巌流島に上陸しました!

島にはモニュメントと素晴らしい海峡の眺めの他は、特に子どもが喜ぶようなものは何もありませんでした・・・。
子どもたちは武蔵と小次郎の決闘についていまいちわかってませんでしたが、それでも、行き帰りに船の上で潮風に吹かれたり、ゆっくりと島の中を散策したり、島に住み着いているかわいいタヌキを発見したり・・・。

刺激的な体験ではないけれど、じんわりと心にしみてくる体験ができ、子どもたちも存分に楽しめたようでした。大人のわたしも、また行ってみたいなあと思うようなところです。
そんなのんびりした島で歴史に残る決闘が行われたとは、なんだか不思議な感じがします。

関門海峡観光にお越しの際は、ぜひ一度、関門海峡の真ん中に浮かぶ島・巌流島に渡ってみられて下さいね。